今更ながらC2833x
掲示板でMooさんにたれ込みをもらうまで知らなかったのですが、TIのC2833xは面白そうです。ひょっとしてアマチュア向けオーディオ信号処理DSPの決定版じゃないですか?
浮動小数点ユニットを持っている
この製品は32bitコントローラに位置づけられていますが、
- 16bit固定小数点DSP
- 150MHzクロック
- McBSP
- I2C
- UART
- マルチチャンネルADC
- 256kBFlash
- 68kBSRAM
- FPU
というなかなかのスペックを誇ります。150MHzはMPUなら信号処理には物足りない速度ですが、DSPではオーディオ信号処理用として相当使い出があります。何より、浮動小数点処理ユニットを内蔵しているというのがうれしいです。コンパイラがfloat型を勝手に処理してくれるのか、あるいは明示的にプログラマがライブラリを呼ばなければならないかが不明ですが、シンセサイザーのVCFの様にピークを持つ特性の回路でも簡単に実装できるのは大きなメリットです。また、多信号を加えていっても途中であふれないのもうれしいですね。
内蔵メモリが大きい
組み込み向けMPUの流れに乗っているのでしょう、内蔵Flashはアマチュア用としては十分以上です。RTOSからライブラリからテーブルから全部乗せられます。また、内蔵SRAMは長時間ディレイ以外の用途なら事実上問題にならないでしょう。
McBSP
McBSPはTIの同期シリアルポートで、DMAを使い、I2SコーデックやAC97と直結して使えます。オーディオ入出力の心配はありません。
I2C, SPI
独立したI2Cポートを持つほか、McBSPはSPIポートとしても使えます。
マルチチャンネルADC
内蔵ですので、外部ボリュームを読み取るのにわざわざ外付けADCを使う必要はありません。
コントロールカードが面白い
TIはこのMCUを搭載したコントロールカードを販売しています。このカードはDIMMモジュールになっており、基板に簡単に装着して使うことが出来ます。つまり、パッケージの半田付けに苦労せずにすみます。しかもカードにはご丁寧にもRS232のレベル変換まで付いています。
また、30kBの制限つきCode Composer Studioとマザーボードをパッケージした検証用キットも販売されています。
なかなか魅力的
いくらCCSが使いにくいといってもこれだけハードウェアが魅力的だとそそりますね。簡単なオーディオボードでもないかな。あったら飛びつきそうで怖いです。