迷走でもあり、目標が見えてきたとも言う
もともとRebunは、455kHzをサンプリングするIFディジタルのSDRとして企画を立てました。が、オーディオ帯域のSDRがあることを知り、それだったらオーディオ用に考えていたYonaguniのほうが近いなと思って、ある時期からRebunは停止、Yonaguniの計画を進めていました。
最近、構想を煮詰めるうちにYonaguniからオーディオ色が抜けてきたため、やっぱりRebunに戻ろうと言う気持ちになりました。迷走です。
現在のRebunはこんな感じ。IFディジタルではないですが、私の中ではSDRと言えばRebunです。
長い間仕事にまいっていたため放置していたSDRに戻る気になったのは、AD1939の存在が大きいです。本来、Rebun/YonaguniにはAD1935を使おうと思っていたのですが、これがいつまでたっても量産に入りません。ところが、ふとみるとファミリ品のAD1939はとっくに量産に入っているのでした。AD1939はAD1935と同じく192kHz, 24bit 4ch ADC, 8ch DACのCODECですが、AD1935と異なり、DAC出力が差動です。私自身は予定していませんが、トランスミッタの実験をするなら差動出力のほうが便利そうです。
とにかく、ステレオCODECではなくマルチチャンネルCODECを使えるめどが付いたのはめでたいです。と言うのは、
- IQ入力・モノラル出力
- モノラル入力・IQ出力
を、はじめから別回路で、しかもコンパクトに組めるからです。
長い間構想だけに専念していたため、Rebun上でためして見たいアイデアはたくさんあります。
- 32bit デシメーター
- 入力が24bitコーデックなので、16bitフィルタにとおすとせっかくの信号を丸めてしまいます。32bitのまま、一気にフィルタにかけます。96kHzサンプルで長いタップの32bitフィルタを使うとあっという間に400MIPSを使い切るため、1/8デシメーターにかけてMIPSを節約します。
- 可変特性フィルタ
- フィルタのインパルス応答を動的に計算して可変特性すると楽しそうです。もっとも、あらかじめ多くの特性を計算しておいてSDRAM上に展開してもいいですね。IFシフト*1と組み合わせます。
- ビートキャンセラ
- 適応フィルタを使ったビートキャンセラの実験をして見たいですね。
- IQ補正
- IQのゲイン、位相ずれをゲインの補正だけでしのぐ方法を思いついたので、実験してみたいです。
- MIPS使用量を計算する
- TOPPERS/JSPに手を入れることが出来ればやってみたいです。PizzaFactory Expressだと難しいかもしれませんが、その場合は工夫してみましょう。
これだけやれば、せっかくだし箱に入れてみたい気分です。フロントエンドのQSDは別基板にしておけば、回路をいろいろ試すことも出来そうです。
*1:ダイレクトコンバージョンなのにIFシフトとはこれ如何に