可構成論理

可構成論理と動的可構成論理はどこが違うのでしょうか。もともと商売だか研究だかの宣伝用に作られた匂いがぷんぷんする用語ですのできっちりと分けるのは難しいように思います。しかしそれはそれ、ここは個人の日記ですので浅学を恐れずに分類してみましょう。ポイントはASICのIPを比較用に持ってくることだと思います。
一般にIPと呼ばれるモノは、カスタム化の手間がかなり大きいものです。物によってはカスタム化できません。例えばARMコアは一般には買ってきたコアをそのまま使います。独自の命令を追加*1したり回路を大幅に手直ししたりということはせずにパッとお金を払ってサッと使うのがこの手の汎用IPを便利に使うコツでしょう。しかし、複雑なIPの場合、アプリケーションから見ると帯に短しタスキに長しの場合が多いだろうことは容易に想像がつきます。そうかといって手直しするにはものすごいお金がかかるため、IPを使うメリットがありません。
DesignWave誌すら読んでいない私が勝手に理解するのもひどい話ですが、この問題に対する解答が可構成論理回路だと思っています。つまりIPメーカーが提供する論理機能ユニットを「ある程度大胆」に顧客がいじることのできるIPが可構成論理回路です。普通のIPは想定した用途に対して幅を持って最適化していますが、その幅からずれた用途に対して、顧客が再構成可能に作ってあるものが可構成論理です。多分ね。
これは言うは易しというやつです。例えばプロセッサに新命令を入れたければ、コンパイラが対応していない限り、アセンブリ言語でプログラムを書かざるを得ません。それは嫌です。かといって、コンパイラの最適化は一朝一夕にはできませんから、そうそう命令をいじられても困ります。TensilicaのXtensaがすごいのは、このようなアーキテクチャーの可塑性に対して追従できるコンパイラが提供されていることです*2。カッコイイ。
まとめると、私の理解では可構成論理とは、メーカーが提供する設計をユーザーが再構成して利用できるIPであり、再構成は設計段階で終わるものです。つまり、これはASICに搭載される技術です。

*1:追加するには別契約が必要になる

*2:ええと、そう決め付けていますが供給されていますよね。ね。