インターフェース誌12月号はITRON特集

「作ってみました」的な記事なんかがあって、ちょっと小言を言いたい気分です。しかたない点もあるのかな、と思いつつも、インターフェース誌にはどうせなら深々とナイフを突き立てるような記事を望みます。
一方で、付録基板にしつこくこだわっているのは高く評価したいです。何のかんの言ってLED点滅で終わらせる人が多いですからね。しゃぶり尽くしている方も見ますが掲載誌自身が手を変え品を変えて次々応用を見せるのはいいです。つーか、横田さんいつ寝てるんでしょう。
さて個人的白眉は特集第2章の「新時代カーネルTOPPERS/ASPの概要」です。この記事に関しては驚愕の事実が明らかにされていますが、むしろ「その事態でこの完成度ですか」とそっちのほうが驚愕です。
記事のほうはuITRON4規格を10年を見据えた規格ととらえ、その実装としてTOPPERS/JSPが責務を果たした今、次にあるべき姿としてのTOPPERS/ASPが解説されています。そのため、TOPPERS/JSPがどうだったか、どのような欠点が見えてきたかを明らかにした上で、ASPがどうあるべきとして設計されたか、踏み込んだ解説がなされています。
特に安全性に関しての解説が丁寧なのは、高信頼性システムに積極に関わってきた方ならでは、といえるでしょう。各種処理内部でのフラグの変化が整理されていること等も紹介されていて、新鮮でした。これまで単に面倒に思えていたTOPPERS/ASPの割り込みモデルも、Blackfinにぴったりな気がしてきました。
総じてこれまで私がASPカーネルに抱いていたもやもやが、きれいに晴れるような記事でした。
お奨めします。