二正面作戦

タイトルに意味はありません。同時に攻撃するとも、同時に攻撃されるとも、あちこちにいらぬ首を突っ込むとも。
JI3GABさんによる、ADCの歪みとディザの関連性に関するレポートです。ディザを入れると2信号特性をはじめとする各種歪みが改善されますよと言う話。

これらのスプリアスは、FFT画面上に線が立つことからもわかるように、ADの出力するコードが(本来入力には存在しない周波数の)何らかの周期性を持ってしまうことから生じると考えられます。そこで、入力にランダムノイズなどを加算してやることで入力信号に揺さぶりをかけ、周期性を薄めてしまおうというのがディザの基本的な考え方だと理解しています(ここは違っていたら是非教えてでください)。

「当初、大振幅のディザは局所歪みを散らすので改善されるのは当然」と思っていました。しかしそれなら2信号その物が局所的な歪みを散らしているわけです。興味はありますが、実験装置の一つもないのでは話になりません。

一方、こちらはChuckさん。LFOマイコンで作ったが、DACの分解能が低いため階段状の変化が聞こえてしまうと言う話*1

遅いところで階段状だ

変化の速度がもっと高ければLPFで切れるのですが、揺らぎの周波数が十分の数ヘルツ、階段状変化の周波数が数ヘルツとなると、外部のLPFで切るわけにもいきません。で、ふと思いました。ディザをかけてはいかがでしょうか。

LFOの信号その物は内部16bitくらいあるわけですが、DACが8bitであるために階段状の変化が聞こえてしまいます。が、そこにナイキスト周波数近辺のディザを入れてみてはいかがでしょうか。例えばLFOの最大周波数が数ヘルツ、ナイキスト周波数が500Hzくらいとします。これに400Hzくらいのディザを入れてやり、カットオフ周波数10Hz程度の2次のLPFを入れてやれば、直感的には階段状の信号を消すことができそうです。
実験しようかな。オシロがいるけど(^^;

*1:補足すると、LFOは数ヘルツ以下の発信器で、他の音源をゆらすのに使う