オープンソース開発環境

VisualDSP++は便利なのですが、EZ-KIT Licenceの場合いくつか制約があります

  • ターゲットがEZ-KIT Liteに限定される
  • コードサイズが20KBを上限とする

前者は自分で何かハードを作ったときにデバッグ手段がありませんし、後者はTCP/IPネットワークが使えないことを意味します。ソフトウェア無線程度ならいいですが、それ以上となると不満になります。そこでオープンソース開発環境がどんなものか調べてみました。Cygwinで動かすことが前提です。また、OSはTOPPERS/JSPを使うとします。

コンパイラアセンブラ、リンカ

GNUツールチェーンが提供されています。Cygwin対応。リンカ出力はelfですが、"flat"ファイルへの変換ツールが提供されています。flatとは、多分nobootモードでの実行形式でしょう。ブートモードへ対応させるには、elfからのコンバーターが必要かもしれません。
gccは呼び出し規約がVisualDSP++コンパイラと異なっているため、TOPPERS/JSP

デバッガ

GDBはBlackfinに対応しています。また、プリンタポートICE、USB ICEも用意されています。プリンタポートICEはWiggler互換にも対応する模様。GDBのBlackfin-JTAGスタブはWindows2000/Linux対応なのでCygwin動作には問題ないようです。

ライブラリ

uCLibがBlackfinに対応していますが、newlibは対応していません。uCLibをTOPPERS/JSP向けに改造するか、newlibをBlackfinに移植する必要があります。

IDE

Eclipseの構築例が紹介されていました。

まとめ

二つ障壁があります。

  • 何らかの形でライブラリの移植が必要。
  • TOPPERS/JSPはおもに呼び出し規約を中心として書き換えが必要

ライブラリに関しては現在のVisualDSP++版TOPPERS/JSPでも、ヒープなどが限定対応になっています。したがって、いつかはやらないといけないことといえるでしょう。カーネルの一部書き換えは作業量としてはたいしたことはないと期待します。
いろいろなところが手探りになるため作業としては長くなりそうです。