NECのMusketeer

日経エレクトロニクス2004.6.21にNECが同社の動的可構成論理素子用に開発した開発環境Musketeerが紹介されています。C言語による論理素子開発環境ですが、なかなかおもしろい点がいくつかありました。

  • 演算回路を複数のブロックから共有する必要はない。手近なリソースを再構成すれば済む。
  • 最適化はチップ上の二次元空間と時間を合わせた三次元空間が相手になる。
  • 異なる配列に別の物理メモリー空間を簡単に与えられるのでバス・バンド幅を膨大にできる。
  • レジスタや演算器を単一の論理メモリー空間に配置しているため、デバッグが簡単。

そして何よりも、

という点がおもしろいです。「並列演算に向く」と書いてありますが、ソフトウェア屋さんは並列演算が苦手な傾向がありますので、並列化の考え方、並列化しやすいプログラムの書き方などの技術文書が公開されないか期待しています。
さて、DRP関係を調べていたら天野さんの発表資料にぶち当たりました。
http://www.hpcc.jp/sacsis/2004/include/amano-sacsis.pdf
わかりやすい説明です。例えば動的可構成論理素子の利点に「面積の有効利用」が挙げてあり、なるほどと思わせます。この方に限らず、先端の情報を持っていて、それをわかりやすいプレゼンにまとめられる方には感服します。しかしこの方のことは最近まで知らなかったんですよね。狭い世界に閉じこもりがちになっています。いかんいかん。
NECDRPの大学向けプログラムをやっているとはさすがです。しかし、DRP+Musketeerで検索したとき、日本語のヒットが上の一件だけであとは英語と中国語だったということが、首の後ろに何かが引っかかっているような違和感となって残っています。