Atomのことを調べてみた

先週末からの流れでAtomマザーの動向を調べてみました。

チップセットの消費電力が高い
Atomプロセッサ自身は最大でも4W(TDP)程度のようですが、システムに組むとアイドル時消費電力が40W近くなります。これの犯人は945Gという古いチップセットにあります*1Intelには短期的にこれを改善するつもりはない模様。
レガシーIOがついている
チップセットが古いのと、やはりmini-ITXが産業用の性質が強いということでプリンタポートやCOMポートをバック・パネルに持つボードが多いです。
遅いけど速い
今時のCPUどころか前の世代のCPUと比べても遅いのですが、一方でPentiumを1.6GHzで走らせる程度には速いようです。オーディオ系には困らない速度です。

Atom自身はモバイル市場を狙うようですが、ついでに産業や経済的に弱い地域も手中にできるといいなぁ、という思惑が現在のAtomマザーボードの形を決めているようです。
じゃ、これを使うとなると何が必要かですが、圧倒的にミドルウェアです。ハードディスク、ビデオ、COM、プリンタはレガシーIFを叩いて何とかなるとしても、LANやUSBとなると、きちんとしたミドルウェアがなければどうしようもありません。産業用途なら、そこに行けばどんな夢も叶うというサードパーティーミドルウェアを提供してくれると思いますが、アマチュアの場合選択肢はぐっと狭いです。

作る選択肢に関しては、「自分たち」が「自分だけ」になってもやり遂げる強い意志がないと、始められません。2,3人集まるだけでも自分の弱点がカバーされて大幅に選択肢があがるのですが、1人となると絶望的です。1人でUSBのホスト・プログラムを書きますか?1人でネットワーク・プロトコルを書きますか?
ということで、性能・価格には魅力を感じる上に、いよいよサイズや発熱も手頃になってきたx86ですが、やはりアマチュアがリアルタイム信号処理を行うにはLinuxあたりで手を打つしかないようです。
Intelチップセットは仕様が公開されているので興味はあるのですが。

*1:945Gを元にした945GCEというAtomチップセット