F-16の保守

ネットニュースを読んでいてふと、思い出しました。YF-16は初飛行が1975年ですからすでに30年以上たっています。

ちょっと似たものに航空機のFBW(Fly-By-Wire)がある。最初に搭載された量産機はGeneral DynamicsF-16と記憶しているが、この機体は負の安定性を持っており、これをFBWで常時補正する形で飛行が可能だった。

最初にFBWを搭載した量産機がF-16だというのは正しい記憶です。安定が負というそれまでの設計ではありえない機体を制御するため、16ビットのコンピュータが操縦系統に組み込まれています。主記憶は数十キロバイトだったはず。
同じ年にIntelがi8080を発売しています。さて、Intelはi8080をまだ生産しているでしょうか。
F-16に搭載されているコンピュータの素性など、私が知るはずもありません。しかし、常識的に考えればそれはTTLのようなロジックICで組まれていたと思われます*1F-16の生産は実はまだ続いているのですが、私が気にしているのは、だれがコンピュータの面倒を見ているかって事です。最初のFBWプログラムは十中八九アセンブリ言語でかかれていたろうと思いますが、おそらく今の生産ブロックはAdaで記述してあるでしょう。その間いったい何回アーキテクチャの変更があったのでしょうか。今、稼働中の古い機体のコンピュータが壊れたら、果たして新しいコンピュータで置き換えることができるのでしょうか。それとも古いコンピュータがストックしてあるのでしょうか。そもそもコンピュータって30年もストックできるのでしょうか。
YF-16は要求仕様が出て初飛行まで2年でしたが、F-22の場合、最初のATF計画からYF-22の初飛行まで16年かかっています。その間Intelのプロセッサは8086からPentiumIIへと変化を遂げています。最初に使ってたプロセッサなんて絶対製造中止だって。
まぁ、戦闘機なんかだと何とでもなりそうですけどね。原子力発電所のシステムのメンテってどうするんでしょうね。かかわりたくないな。

*1:ビットスライスプロセッサが量産にいたるのは1975年ごろ。1972年に要求仕様書が出たYF-16に間に合うはずもない