Interface誌 10月号

特集はトラ技と合同企画のロボット。ロボット関連には制御とか画像処理などの信号処理関連技術もあるのですが、どうも食指が動きません。多分、脳が根っから違う方向を向いているのでしょう。などということを無線機の設計と製作入門 (HAM TECHNICAL SERIES)を衝動買いした後に思ったりしちゃったりして〜。
そんなことより、今月号は特集以外にEclipse記事が三つあります。あはは、これでいいんでしょうか。サイド・バイ・サイドで比べられる筆者もたまったものじゃないでしょうねえ。読んだ感想ですが、邑中さんのPizzaFactoryの記事に軍配を上げます。

  • 一回で完結している*1
  • コンペとなるDSDPも紹介して、その上での解説
  • 諸問題に対する掘り下げが深い

などといったところが、毎度のことながらさすがと思わせます。
Eclipseを組み込み開発に使う記事やWEBページはよく見るようになりましたが、JTAGデバッガまできちんとカバーしているものは、多くありません*2。そういうわけで、来月号の岸さんの記事には期待しています。
さて、地味ながら、というと失礼ですが「組み込みソフトの数理的アプローチ」は注目ですよ。もともと、ホーア*3の公理的アプローチには本の少し興味があって、かじっては挫折、かじっては挫折していましたので、今回の連載には興味津々です。藤倉さんの記事は毎度毎度難しすぎるのですが、もともとインターフェース誌は「あと数年したら現場に降りてきそうな記事」がにぎやかな雑誌でしたから、おまけマイコンよりこっちのほうが、らしいと言えばらしいかもしれません。
さて、藤倉さんの記事を読んでいて大発見をしました。それを記すだけの余白がここにあるので記しておきます。
以下は176ページから引用

まず、「整数を要素とする配列Aの中で最大の要素」を形式的に表現する必要がある。形式的というのは数式か論理式でという意味である。プログラム言語の中の入れ通なので、インデックスは有限で1からnまでと考える。この中で一番大きな数を持った要素のインデックスをxとすると、この条件は
1<=x<=n, A[x]>=A[j],
∀j, 1<=j<=n
と書ける

この文は、黙読すると眠くなりますが音読するとよく理解できます。なんて大発見!実際、家人に読んで聞かせたところ、ばっちり理解できました*4。噛んで含み、言い聞かせるように読むのが秘訣です。

*1:まあこれは…断続的な連載と見れないこともないですが、一回ごとにきちんとまとめているのはさすがですよ

*2:Eclipseの記事は、筆者が挫折したところで終わる。という考え方はあながち間違ってない気がする

*3:クイックソートの開発者。並列プログラミングの世界ではモニタやCSPで有名

*4:理解できたのは私です。家人は「要素」のところで顔をしかめて耳を押さえてました